ハーモニーなポリフォニー

メンタル系の仕事してます。備忘録や文章を書く練習として使えたらと思います

Dunnの感覚処理モデル

科学から理解する自閉症スペクトラムの感覚世界の70pのDunnの感覚処理モデルを読み進めました。

 

学んだこと

  • ASD者の感覚特性が閾値が高いか低いかといった神経学的な側面と刺激に対しての調節機能が受動的か能動的かといった行動学的な側面から4つの側面を捉えられるとDunnは提唱した。
  • 4つの側面にはPoor Registration(高閾値、受動的),Sensitivity to Stimuli(低閾値、受動的),Sensation Seeking(高閾値、能動的),Sensation Avoiding(低閾値、能動的)がある。
  • 従来は感覚過敏を表す用語としてhypersensitivityが使用されていたが、近年ではhyperreactivityやhyperresponsivityという用語も使用されるようになってきている

 

”感覚探求は、刺激に対する閾値が高いことで知覚印象が弱いとき、一定の刺激を受容することで神経の反応を安定させるための自己調節機能として、飛び跳ねたり、何かをつぶやいたりする行動を表します。感覚回避は、刺激に対する閾値が低いことで強い知覚印象が生じたときに、過剰な神経の反応を抑制するための自己調節機能として、その場を離れたり、耳を塞いだりとった行動を表します。”

「科学から理解する自閉スペクトラム症の感覚世界、井出正和、p73」

今までは感覚過敏と感覚鈍麻が一人の自閉症スペクトラム症者の中にともにあるというのがなんでなのかよくわかってなかったが、Dunnの感覚処理モデルを学んでみて刺激に対する閾値が関係していると知れて少しは理解できた気がしました。

またこの本の後半部分で不安が増すと刺激に対する時間分解能が増えて感覚過敏をより感じやすくなるという実験結果が書かれていたのが興味深かった。心というか感情的な側面が苦痛を感じるといった身体的な側面とリンクしあってるというのは当たり前の話かもやけどこのような知識があるだけで自閉症スペクトラムの特性が悪く出ないように事前に本人が不安にならないように行動的な側面だけでなくメンタル面でも支援していく大事さを教えてくれます。

感覚過敏や感覚鈍麻にしてもずっとそういうわけではなく、その時その時の状態によっては感じ方や反応の仕方が移り変わるということを考えると特性は静的で固定されたものではもしかしたらないのかもしれないとか思いました